高校生のためのメディア・リテラシー

『高校生のためのメディア・リテラシー』を読んだよ。予想した内容と違う本だったけど…。

メディア・リテラシーって聞くと、すぐにIT系のメディアを思い浮かべるアッシ。だから、ITメディアのリテラシーについて高校生に説く本だと予想したんだけれども、違ったよ。ここでいうメディアとはマスメディアとかの意味に近い。本書の内容としては、長野県のある高校の放送部の活動を通して、高校生たちが「メディア使い」に成長する様子をまとめたもの。

「メディア使い」になるためには、「4つの関係性」が骨組みとなる。それをモデルとしてそれぞれの事例を紹介している。

一つ目は「自分と社会の関係性」。青木湖の減水についての取材を通して、自分と社会の関係性について考える。その鍵となるものは、「知るというのではなく気づく」ことだと筆者。これに「やらされていた」ことが能動的なものに変化するのだと。

二つ目は「メディアとの関係性」。本書では、「伝えるメディア、伝える方法との格闘」という表現も。小道具やカメラワーク、演出方法など。ただ、ここでも格闘する苦しさよりも「苦る楽しい」という表現を使っているよ。分かるような気がする。

三つ目は「自分の中の他者との関係」。受け手としての自分と送り手としての自分、両者の立場の視点が必要だと。クラブ活動を事例に説明しているよ。

四つ目は「循環する関係性」。作られた作品がフィードバックされ、それが作者たるコミュニティーを変えていくという。文化祭や卒業式、入学式までもがメディアによって変化している事例が紹介されているよ。

確かに高校の部活でここまでの活動をすることは凄いことだと思うよ。多分、勉強より楽しかったんだろうなぁ〜と思う。そして、そのモチベーションにより、進学の目標が明確化されるんだろうね。
高校生…、あの頃アッシは何を考えていたんだろ。

高校生のためのメディア・リテラシー (ちくまプリマー新書 69)
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