生物と無生物のあいだ
『生物と無生物のあいだ』を読んだよ。科学の本なのに、文学的。
タイトルからして何だか詩的というか文学的。科学的に言うと、要は「生命とは何か?」を分子生物学的な観点から説明した本だよ。
DNAの複製の仕組みがよ〜く分かったような気がする。対という構造そのものがまさに複製の仕組みを意味しているんだね。まさにジグソーパズルをはめ込むように、もう一方の相手方の型が決まるという。シンプルな考え方を繰り返すことで複雑系を組上げていくという仕組みの凄さに感動するよ。
そして、「原子はなぜそんなに小さいのか?」という命題。言い換えると、
生命現象もすべては物理の法則に帰順するのであれば、生命を構成する原子もまた絶え間のないランダムな熱運動から免れることはできない。つまり、細胞の内部は常に揺れ動いていることになる。それにもかかわらず、生命は秩序を構築している。ということになる。
さて、この回答は本書を読んでいただくとして、ここでは数学的な概念がその回答を支えているとだけ、言っておこうと思う。ランダムから秩序とは…想像したこともなかったけど。
さて、生命とは何か…の答えだけど、そのヒントとして、ルドルフ・シェーンハイマーの言葉が上げられているよ。
それは、
秩序は守られるために絶え間なく壊されなければならない。と。
ここに、モノにはない時間という概念が存在するわけ。
途中に野口英世やら、科学者の話題も散りばめ、且つエピローグのエッセイ風な文体。まさに、文学的な科学本で、楽しく読めました〜。
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891) | |
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