ウェブ時代をゆく

ウェブ時代をゆく』を読んだよ。このウェブの時代に、どう生きどう仕事をするかなぁ〜。

筆者・梅田氏の前著『ウェブ進化論』では、グーグルを中心として動き始めたウェブ環境の変化を紹介した本だったけれども、本書はその環境を基盤に我々がどのように仕事をしていくか、職業を選択していくか、そして、究極的には「飯を食っていく」か…といったことをテーマとしているよ。

まずは「高速道路」と「けものみち」の比喩。ウェブ時代の現代は、ある分野で極めたいと思えば、効率よく過去の叡智を吸収できる。それはまさに高速道路を疾走するが如く。そう、ちょっとした調べものをしたいと思えば、すぐにネットで検索。体系的に整理されているものではないけれども、多少の努力である程度までの知識は得ることができるわけ。
ただ、疾走した先には渋滞が待っていて、さらにその先に進むには、二通りの方法があるという。ひとつが、そのままその渋滞に進んで行き、高く険しい道を切り開いていく方法。そしてもうひとつがそこで高速道路を降りてしまい、かつて人類が歩いたことのない「けものみち」を自ら切り開いていく方法だという。
どの道を選ぶかは、その人の人生観や職業観だ。まさにウェブ時代の生き方がこれだ。

そして、けものみちを行く人たち。オープンソースの開発者たちがその人たちだ。そして、彼らの特徴は「勤勉の継続」也。

「勤勉の継続」などと言うとずいぶん古めかしいと思われるかもしれないが、本書でさまざまな事例を挙げながら考えてきたように、ウェブ時代の初期に現れた新しいタイプのリーダーたちに共通するのは、「自分が好きなこと」「自分に向いたこと」「自分がやりたいこと」を対象に「勤勉の継続」が自然にできる人たちであった。強いられて行う「勤勉の継続」とは決定的に違って、志向性と自発性と能動性がすべての始まりだから、彼ら彼女らにとって、勤勉は苦しみでなく楽しみなのである。
その自発性。職場での情報は管理されたほうが、その範囲内で仕事をすればよいので、社員は楽であると。逆にすべての情報が共有されるということは、自分の範囲の仕事をするのは当たり前、それ以上の付加価値を求められるわけ。「道具は欲しいけど、仕事はやらない」なんてことは論外だってことだよね。

結局、ウェブとは何かと言った時に、「能力の増幅器」だという。それは、働き者と怠け者の差を拡大させる。これは自明だよね。
それにしても、よくよく考えてみると、恐ろしい世の中になったものだ〜。

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)
ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか (ちくま新書 687)梅田 望夫

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