「まなびや」の行方

『「まなびや」の行方』を読んだよ。阿部謹也シリーズ第13弾。

阿部先生と日高敏隆氏との対談をまとめたものだよ。日高氏の専攻はは動物行動学。だから、どちらかというと理系。(理系、文系を区分するのは間違っていると阿部先生はいうけれど。)
でも、二人の会話はきちんとかみ合い、さらにはシナジー効果で面白い面白い。

そして、「まなびや」への新たな視点。国民からどう思われているか、意識していない「まなびや」の問題。ちょっと長いけど引用。

学問は全部そうなんです。それは日本の国民にとってみると、あまり縁がないわけですから、「勝手にやってれば」ということになる。しかもそれを国民の税金でやっている。アメリカでは、なにかというとすぐに「タックス・ペイヤーの権利」だとか「納税者の資格でもの申す」とかいうでしょう。日本では、タックスペイヤーなんていう言葉は聞いたこと内。どんな学会でも「今日の学会は、タックスペイヤーのお金で開きました、納税者の皆さんのお陰でできました」とは決していいません。
そうなんだよなぁ〜。これ、アッシが常に意識していること。そして、「趣味の学問ではなく、国民を意識した学問であってほしい」と阿部先生は言っているよ。

あ〜、亡くなられたのがなんとも惜しいことか…。

「まなびや」の行方 (MOKU選書)
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