北の街にて

『北の街にて』を読んだよ。阿部謹也シリーズ第11弾。

筆者の小樽商科大学時代のあれこれをエッセイ風にまとめたもの。
エッセイ風とか書いたけど、話の筋的には「小樽商科大学の学内事情」、「ドイツ留学時代」、「一橋大学関係者との交流」、「大学紛争」など。
ただ、それぞれの話が独立しているわけではなく、その中での人との交流の中で筆者が世間の構造を根底で考えているのが、見て取れるってわけ。
『阿部謹也自伝』に近いものがあるような気がするけど、どちらかというと本書の方が阿部氏なりの学問的な考察が含まれているよ。

で、アッシ的に興味深かったのは、小樽商科大学の学内事情のこと。小樽という街の狭さに加えて、大学という小さな世間。その世間の難しさを思い知らされたよ。
例えば、大学紛争後において、教官と職員の関係に大きな変化があったことが、ズバリと書かれているのはビックリ〜。

また、ところどころで紹介される西さん(元一橋大学教授)からの手紙。世間との関わり方についての一例がこの手紙の中にあるような気がするよ。

『阿部謹也自伝』でも、吉祥寺の話が多少出てきたけど、今回はアッシの知っている喫茶店が出てきたよ。ますますお近づきです〜。

北の街にて―ある歴史家の原点 (洋泉社MC新書)
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