自分のなかに歴史を読む

『自分のなかに歴史を読む』を読んだよ。阿部謹也シリーズ第7弾。

ちくまプリマーブックスの一冊だから中高生向けで分かりやすかったよ。岩波ジュニア新書と並んで読みたくなるような本がたくさんありそう〜。

内容的には、自伝的な要素とヨーロッパ中世史のなかから人々の生き方を考える本って感じかな。

当然、賤民や差別の話は出てくるけれども、日本の世間の話には至らなかったよ。

以前の本にも出ていたけれども、小宇宙と大宇宙の考え方も良く分かった様な気がする。だから、中世ヨーロッパの人々が日々の生活の中で世の中に対し、どんなことを考えていたか、そしてキリスト教の影響がどんなところまで及んだのかも分かったような気がする。
そして、新たな視点もあったよ。交響曲の成立の過程までもが二つの宇宙に関連しているという筆者の見方。ここでは、音楽の合理化とか二つの宇宙の一元化というような言い方で説明しているよ。なるほどなぁ〜。

最後に引用。氏が一橋大学時代のゼミナールで学んだ重要なことについて。

「解るということはいったいどういうことか」という点についても、先生があるとき、「解るということはそれによって自分が変わることでしょう」といわれたことがありました。
そうそう、解ったなら行動しないと解ったことにはならないんだよね。
自分のなかに歴史をよむ (ちくまプリマーブックス (15))
自分のなかに歴史をよむ (ちくまプリマーブックス (15))阿部 謹也

筑摩書房 1988-03
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