人物で語る物理入門(上)
『人物で語る物理入門(上)』を読んだよ。
物理学の入門書を言えば、朝永振一郎著『物理学とはなんだろうか』を思い出す。
20代の頃にこの本を読み、エントロピーとかエネルギーの概念が明確に分かったような気がしたから。確か本書にも出てくる電気と磁気の話もあったような気がするけど、まったく記憶に無し。エントロピーの話だけがアッシにとって、目からウロコだったのかもしれないね。
さて、本書。内容的には『物理学とはなんだろうか』に近いものがあるような気がするけど、話し言葉だからその分理解し易いかな。
ポイントはニュートン力学、光の性質、電磁気学、そしてエントロピー。そして、これらは常に繋がっていて、それらの発見にはそれらの先人達の成果から発展させているものがほとんど。先人の成果があってこその科学の発達なんだと思うよ。
そうそう、それが上巻最後の章のアインシュタインに繋がっているわけ。で、ひとつの疑問が。下巻には何が書かれているのだろう。アインシュタイン以後も科学の発展はあるのだけれども、人物的にはどんな人?って感じで、ピンと思い浮かぶ人がいない…。小柴さんとか田中さんとかが出てくるのだろうか?これまた下巻が楽しみだ〜。
で、最後にまた思い出話をひとつ。エントロピーと言えば、高校の時に化学の先生がエネルギーを付加するとエントロピーが減少することを説明したよ。その時の事例が印象的で今でもよ〜く覚えている。
「エントロピーは乱雑さだ。乱雑な状態にエネルギーを与えるとエントロピーは減少し整列する。」
とここまで静かに説明。急に
「静かにしろ!!」
と怒鳴ると授業中なのに騒がしかった教室内が静かになった。すかさず先生は
「エントロピーの増大したこの教室内に、怒鳴るというエネルギーを与えることで、静粛になったわけだ。」
なるほどなぁ〜。
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