世間の目
『世間の目』を読んだよ。阿部謹也氏著作の引用が多々有り。
世間の本質をたくさんの事例を持って解説してくれているよ。そして、阿部謹也氏の本より理解しやすいのがよい。
取っ掛かりは、何故世間に興味を持つようになったか…について。
自分自身の意思ではなく、なんとなくそうなってしまったという事例は多い。なんとなくそうなったのは、自分の意思ではなく、世間が決めたんだと筆者は言う。
分かるような気がする。自分で決めたと思っていることであっても、やっぱり世間にご機嫌伺いをしてから決めているような気がするし。
その方が楽なんだよね。自分で決めるということは、その後の責任が発生するわけだし。
小渕元総理とか民間出身の小学校長の過労死、過労自殺の事例も。これはどの職場に有り得る話。身につまされるような。
筆者によると、世間が中途半端に解体された場合に起こり得る現象だとか。その解説にも納得させられるよ。
筆者の専門は刑事法学。だから、法律と世間についての矛盾の話も面白いよ。法律というルールがありながら、世間は別のルールを持っている。だから、そこには当然矛盾が発生するよね。
あ〜、ますます世間論にのめり込みそ〜。
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