騙し絵 日本国憲法

『騙し絵 日本国憲法』を読んだよ。

清水センセー得意のパスティーシュ日本国憲法に魔法のように掛けちゃったって感じかなぁ〜。

憲法前文を21もの違うパターンで表現した「21の異なるバージョンによる前文」は、まさに圧巻。そうそうこの人が表現したらこういう表現になるだろうなぁ〜って頷けるよ。
それにしても、これだけのバージョンを作るとなると単なるパスティーシュ小説を書くという行為だけでは収まらず、その準備として憲法を理解するという行為が必要になるはずだよね。そういうところが清水センセーのハカセ振りを発揮するところだよね。

小学校か中学校で、憲法のことを習ったと思う。学校で教わることは、日本国憲法の特徴とポイント。その成立の過程とか、裏にあることは当然教えてくれないよね。だから、素直な少年少女は、日本国憲法は世界に例をみない素晴らしい憲法だって思うんだろうね。

この本を読むと、その日本国憲法には矛盾に満ちているって感じられるよ。でも、それはそれでいいんじゃないかってアッシは思うよ。天皇のように法律の象徴みたいな扱いなんだから。詳細は法律で決めてねっていう態度でいいと思うから。

でも衝撃的な矛盾がひとつ。どうも憲法は絶対に改正できない構造になっているような…。「亜匍驢団の掟」をいう短編をご覧あれ。

騙し絵日本国憲法
騙し絵日本国憲法清水 義範

集英社 1996-04
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