大黒屋光太夫
『大黒屋光太夫』を読んだよ。『おろしや国酔夢譚』と同じテーマの小説だよ。
小学生の時に、確か後楽園かどこかで「大シベリア博」っていうのをやっていた。父親と見に行って、壮大な草原やバイカル湖の景色とかに子供ながら魅せられて帰ってきた記憶がある。そういう風に記憶が残っているということは、パンフレットも買ってもらって飽きずに眺めていたのかも。
そんな訳で、アッシにはシベリア憧れの気があるのは確か。それでも、この小説を読むと、極寒の世界の厳しさに恐れをいだく。寒さだけではない。真夏の蚊の猛威も恐ろしげだよ。
で、登場人物の人々。光太夫は責任感が強く、知識の吸収が早い有能な人物として描かれている。10年間もの長期間、水主たちのリーダとして帰国すべく奔走しただけのことはあるね。
次から次へと物語りは展開し、アッシも無我夢中で読んだよ。読んでいる時には、アッシは光太夫になりきっていたかも。
『おろしや国酔夢譚』と比べてみると、『おろしや…』の方がドロドロした印象かも。『大黒屋光太夫』はさっぱりとして読了感がいいかもね。
結末も、『おろしや…』は幽閉されたという感じだけど、史実は違うみたい。その史実が明らかになったのは『おろしや…』が書かれた後だから、比べるのは間違いだけど。両者とも小説なんだし。
こんな風に書くと『おろしや…』の印象が悪くなるかもしれないけど、アッシは『おろしや国酔夢譚』ももう一度読んでみようかなぁ〜なんて気になっているよ。
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