予想どおりに不合理/ダン・アリエリー
『予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」』を読んだよ。心理学との違いは何?
行動経済学の入門書ということで本書。最近、この行動経済学っていうのが流行っているみたい。人間の行動を経済的に考えてみるってこと?『ヤバい経済学』もそうだったけど、経済学っていう範疇は広がっているのだろうか…。
という疑問はさておき、本書。
副題にあるように、「あなたがそれを選ぶわけ」を解明しようというもの。そもそも、人間の選択というのが全くの不合理に満ちている。多分、そう言われてもピンと来ないと思う。でも、よくよく考えてみると我々の選択は合理的な選択ではないことが多いというのが本書を読むとよく分かるよ。しかも、筆者は、
実を言うと、この本は、人間の不合理性、つまり、わたしたちがどれほど完璧とはほど遠いのかについて書いている。とまで、言っているくらい。さらに言うと、「予想どおり」に不合理で、且つ何度も繰り返されるとも。
では、何故に不合理な選択をするのか?それは、「相対的にしかものを見られない」ことであったり、「アンカー」と言われる経験によることであったり、それぞれが基底とする規範であったり。
そう、その規範の考え方は面白い。社会規範vs市場規範の構図なんだけど、結局は、
結局のところ、人をやる気にさせる方法としては、お金に頼るのがたいていもっとも高くつく。社会規範は安あがりなだけでなく、より効果的な場合が多い。ということ。その他にも、排出権取引についても、この構図で言及しているよ。そう、あの排出権って、何かモヤモヤするものがあったんだけど、こういう構図だったわけね。
そして、不正行為について。
べつの方法は、何よりまず、個人の金銭的利益が自分の道徳基準に反するような状況に陥ったとき、わたしたちは真実を「曲げ」、世界を私欲と矛盾しないものとして見て、不正直になってしまうのだと自覚することだ。と言っているように、我々はあっという間に自分の都合のいいように解釈し、不正を働く。あぁ、怖い…。
人間の限界を知って、常に不合理な行動をするんだという前提で、モノゴトを考えていかなくてはいけないなぁ〜。
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」 | |
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